地図
Online ISSN : 2185-646X
Print ISSN : 0009-4897
ISSN-L : 0009-4897
コンピュータ地図のトポロジー的データ構造の概念
鈴木 芳朗
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 29 巻 4 号 p. 1-10

詳細
抄録

地図情報システムのデータ構造について, 地図データベースの記述表現に用いられている点, 線, 面の要素であるトポロジーの概念を基本とした構造の原理を述べる。このトポロジーの概念は, 地図情報を数理的モデルとしてコンピュータで取り扱う上で, データ間の関係, あるいは, 検索や表示における認識を容易にすることで必要な原理である。
現在の地図情報システムにおけるデータ構造は, トポロジーの原理に基づいた記述形式を用いているが, その概念と地図との関連性についてコンピュータマッピングの視点から論述した例がきわめて少なかったそこで, その点について本論文で取り上げ, その関連性についての基礎的論理を組み立て, さらに実例に対応させた関係づけからコンピュータマッピングにおけるデータ構造の基本原理を述べる。また, 現社会におけるトポロジーによるデータ構造化の方法では, 地図データは, 2次元の取り扱いが基本となっており, 写真測量から抽出するデータの特微である3次元データの構造化については模索状態といえる。そこで, 本研究では, 立体的表現のためのデータ構造について, トポロジーの概念を基準に提言し, その基準による建物の3次元データの構造化の原理を示す。

著者関連情報
© 日本国際地図学会
次の記事
feedback
Top