地域理学療法学
Online ISSN : 2758-0318

この記事には本公開記事があります。本公開記事を参照してください。
引用する場合も本公開記事を引用してください。

ADL障害を有する地域在住高齢者における通所リハビリテーション開始時の運動機能と入院および死亡イベントとの関連
平井 智也 上出 直人重田 暁
著者情報
ジャーナル フリー 早期公開

論文ID: JJCCPT22002

この記事には本公開記事があります。
詳細
抄録

【目的】日常生活動作(以下,ADL)障害を有する地域在住高齢者における入院および死亡イベント(以下,イベント)発生を識別する運動機能のカットオフ値を算出し,イベント発生との関連を調査した.【方法】当院通所リハビリテーションに通所する65歳以上かつBarthel indexが100点未満の利用者143例(81.4±6.7歳,女性102例)を対象とし,最大3年間追跡した.イベント発生を識別する運動機能(握力,膝伸展筋力,快適歩行速度)のカットオフ値を算出し,イベント発生に関連する運動機能を調査した.【結果】追跡期間中に,65例(44%)の利用者にイベントが発生した.イベント発生を識別する握力のカットオフ値は 15.6 kg,膝伸展筋力は 15.2 kgf,快適歩行速度は 0.89 m/sと算出され,握力 15.6 kg未満および快適歩行速度 0.89 m/s未満であることはイベント発生に関連することが示された.【結論】ADL障害を有する地域在住高齢者におけるイベント発生の識別には握力と快適歩行速度の評価が有用であることが示唆された.

著者関連情報
© 2022 一般社団法人日本地域理学療法学会
feedback
Top