日本循環器管理研究協議会雑誌
Print ISSN : 0914-7284
降圧薬療法の進歩と将来の展望
荻原 俊男
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2000 年 35 巻 3 号 p. 194-198

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抄録

WHO-ISH1998ガイドラインでは降圧薬療法の第一選択薬として利尿薬, β遮断薬, Ca拮抗薬, ACE (変換酵素) 阻害薬, α遮断薬, アンジオテンシンII (AII) 拮抗薬が挙げられており, それぞれ積極的に用いるべき合併症, 禁忌症とすべき合併症など患者の病態, 合併症などにより最も適した降圧薬を用いることが勧められている。Ca拮抗薬については最近, 老年者の収縮期高血圧を中心に多くのメガトライアルの成績が報告されている。ACE阻害薬についても従来の心筋梗塞, 心不全における成績に加え, 高血圧においてもEBM (evidence based medicine) に資する成績が示されている。遺伝子解析の進展により, 将来はより効率のよい生活習慣の改善処方が可能となるであろう。遺伝子治療については現在は実験段階であるがSHR (高血圧自然発症ラット) でその可能性が示唆されている。

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