抄録
高血圧予防、治療のために重要な食塩 (NaCl) とカリウム摂取量を目標レベルにするには家庭で日々簡易に測定できる装置が必要である。これらの電解質は大部分尿に排泄されるので、尿の簡易分析法を検討した。日常生活における24時間尿の採取は勤務者では困難なので、夜間尿を使用し、24時間分を推定する方式を検討した。250名の夜間尿 (約8時間相当) 中の食塩量 (X) と24時間尿中の量 (Y) との相関係数および回帰式は0.75 (p<0.001) 、Y=1.95X+4.54 (g/日) 、カリウムについては相関係数0.71 (p<0.001) Y=2.32X+1.03 (g/日) であった。食塩量はイオン電極法で分析されたNaイオン濃度から求めたNaCl量と高い相関度 (r=0.92) が得られた電導度法、尿量は抵抗測定法を採用し、温度補償部、演算部、尿カップ、1日の食塩排泄量表示部からなる新しい尿塩分計を開発した。この塩分計を使用して測定した1日の推定食塩排泄量と24時間尿をイオン電極法で測定したものとの相関係数は0.71 (n=159, p<0.01) であった。十分ではないが日々の管理には使用可能なレベルである。食塩やカリウムの濃度測定精度を更に上げるものとして、平面型イオン電極を用いたコンパクト塩分計 (堀場C-121) 、カリウム用コンパクトイオンメータ (C-131) は原尿分析の場合は通常のイオン電極法測定 (希釈尿使用) より低めに出るが相関度は高く、関数式で補正すれば十分使用できるレベルである。