日本循環器病予防学会誌
Online ISSN : 2759-5323
Print ISSN : 1346-6267
男性高齢者のDehydroepiandrosterone sulfate (DHEAS) とPulse wave velocity (PWV) により評価した動脈硬化進展の関連
端野・壮瞥町研究
磯部 健斎藤 重幸高木 覚竹内 宏千葉 雄加藤 伸郎藤原 禎中村 陽介島本 和明
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キーワード: 性ホルモン, 加齢
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2005 年 40 巻 2 号 p. 116-122

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抄録
[目的] Dehydroepiandrosterone sulfate (DHEAS) とbrachial-ankle pulse wave velocity (baPWV) との関係を検討した。
[方法] 対象は2003年地域住民検診受診者のうち、高血圧、糖尿病、高脂血症治療者およびABI0.9以下を除外した男性114名 (平均年齢59.1±16.6歳) 。測定項目は早朝空腹時下におけるbody mass index (BMI) 、安静座位での血圧値 (SBP/DBP) 、安静臥位でのbaPWV値、空腹時血糖値、総コレステロール値、中性脂肪値、HDLコレステロール値、血清DHEAS値である。対象を70歳以上、未満に分け、DHEASを三分位しそれぞれ最高値の2148ng/ml以上 (70歳未満) 、1053ng/ml以上 (70歳以上) をH-DHEAS群、それ以外をN-DHEAS群とし、DHEASとbaPWVとの関係を検討した。
[結果] baPWVは年齢 (r=0.737, p<0.001) 、SBP、DBPと有意な正の相関を、DHEASと有意な負の相関 (r=-0.481, p<0.001) を認めた。70歳以上、未満での検討では、70歳未満ではN-DHEAS群に比しH-DHEAS群の方がbaPWVは有意に (p=0.015) 低値を示したが、年齢も有意に低値であった。一方、70歳以上の群ではN-DHEAS群とH-DHEAS群との問に年齢に有意差を認めることなく、N-DHEAS群に比しH-DHEAS群の方がbaPWVは有意に低値となった (p=0.014) 。
[結論] DHEASは年齢の影響を強く受けるものの、DHEASの低下とbaPWVの上昇は関係していることが示され、DHEASは動脈硬化進展と関連する可能性が示された。
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© 社団法人 日本循環器管理研究協議会
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