抄録
平成15年度厚生労働省定期健康診断結果調によると労働安全衛生法に基づく定期健康診断の有所見率は47.3%にのぼる。一方、平成16年度国民生活基礎調査によると過去1年間に健診 (健康診断や健康診査) や人間ドックを受診しなかった人の割合 (20歳以上) は国民の36.1%で、このうち自営業主や家族従事者、家庭の主婦などは約半数が受診していない。受診しない理由として「受ける時間が無い」とか、「受診が面倒」などがあげられる。そこで注目されるのが在宅健診であるが、これまでは精度が悪いとか、まとまった健診としての検査ができないなどの理由であまり普及していない。しかし、最近になって血液検査については遠心法の登場によって精度が大幅に向上したことと、血圧計、心電計が小型、軽量化、操作が簡素化したことで、在宅での総合健診が可能になってきた。そこで、自宅でできる総合健診「ホームドック」を開発した。現在検討段階ではあるものの、在宅でのこのような総合的な健診が普及すれば、これまで健診とは無縁であった層の生活習慣病罹患率の低減が期待できると考えられる。