比較経済体制学会会報
Online ISSN : 1883-9797
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リベラリズム再考
F.A.ハイエク,W.レプケ,山田盛太郎
金 秀日
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2001 年 38 巻 1 号 p. 83-89

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抄録

ハイエク(Friedrig August von Hayek,1899~1992),レプケ(Wilhelm Röpke,1899~1966),山田盛太郎(1897~1980)の三者は共に19世紀末に生を受け,ナチズムと軍国主義の台頭という歴史の激流に抗しつつ壮年期を経た経済学者として知られている。ハイエクはネオ・リベラリストの,レプケはオルド・リベラリストの,山田は日本の講座派マルキストの重鎮である。
1989年11月ベルリンの壁崩壊以後,市場経済に対する信頼が喧伝されて来た。結果的にロシア・東欧の厳しい賃金危機と(ハイパー)インフレーションを招きながらもなお,ドイツにおける社会国家解体論,日本における新自由主義(あるいは新保守主義)改革必要論が勢いを増している。ロシア・東欧のみならず,旧西側の住人の我々にも市場経済の有効性を再検討する意義が高まっている。本稿はこうした間題意識に立ち,社会哲学者としてのハイエク,エアハルトの経済顧問としてオイケンと共に実際家としても活躍したレプケ,日本の農地改革プラン作成に大きな影響を与えた山田の認識を市場を軸として比較検討し,その思想を整理するものである。

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