脳死・脳蘇生
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資料
脳死下臓器提供に関する検証資料フォーマットの改訂案の報告
安心院 康彦三宅 康史坂本 哲也横田 裕行
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2020 年 32 巻 2 号 p. 68-73

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抄録
【目的】2017〜2019年度厚労科研横田班「脳死下・心停止下における臓器・組織提供ドナー家族における満足度の向上及び効率的な提供体制構築に資する研究」で試作した「脳死下臓器提供に関する検証資料フォーマット」改訂案(以下,改訂案)について,2014年の同フォーマット(以下,2014年版)と比較した。【方法】WordTMファイルによる2014年版とExcelTMファイルによる改訂案について,フォーマットのデフォルトにおける,救急隊による病院前対応から脳死とされ得る状態までの診断の,①ページ数,②項目数,③総文字数を比較した。改訂案において検査値はカルテデータのコピー添付とした。【結果】2014年版,改訂版はそれぞれ,①ページ数が16:2,②項目数が70:81,③総文字数が9,600:2,500であった。【考察】改訂案では,検査データをカルテコピーとし,ExcelTMの表形式とすることにより,2014年版に比べて大幅にページ数と総文字数を減らすことができた。ExcelTMの利点として,①表にすることで,同時進行する項目同士の関係把握が容易となる,②縦横枠の項目により各セルに意味が付与され,入力文言の単純化が可能になる,③プルダウンメニュー等が利用できる,があげられた。【結語】本改訂案により,脳死下臓器提供施設による検証資料フォーマットの作成,ならびに厚生労働省の脳死下での臓器提供事例に係る検証会議の負担軽減が可能になると考えられた。
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2020 日本脳死・脳蘇生学会
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