教育カウンセリング研究
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青年期のケータイ・メールと孤独感
神野美智男和田裕一
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2015 年 6 巻 1 号 p. 11-21

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抄録

本研究の目的は,青年期のケータイ・メールの使用と孤独感との関係を検討することであった。高校生 と大学生(n =601;平均18.4歳;男子305名,女子296名)を対象に,メールの使用実態やメール依存や孤独感 などを測る心理尺度から構成される質問紙調査を実施した。用いた尺度は,孤独感(落合, 1983),携帯メー ル依存(吉田・高井・元吉・五十嵐, 2005),携帯メールの効用認知度(五十嵐・吉田, 2003),独立意識(加藤・ 高木, 1980)の4種類であった。その結果,孤独感が未成熟な者ほどメールに依存し,過剰使用が認められた。 その背景には,孤独を回避しようとする心理が作用しており,女子にその傾向が強く認められた。また, 女子におけるメール使用の背景には,友人との親和充実を図ろうとする意識があった。さらに,メール依 存低群の者は高群の者より独立意識が高いことが示された。これらより,青年期の若者が,相手との関係 を発展させるためにメールを行うには,孤独感の健全な成熟が重要となることが示された。

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© 2015 日本教育カウンセリング学会
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