抄録
空中写真濃度から林分の識別がどの程度可能であるかを検討した。林分の区分はスギ林,ヒノキ林,アカマツ林,広葉樹林とした。密着ポシフィルムを用い濃度を測定し,林分ごとの濃度特性を検討した。つぎに,周辺減光による影響を考慮した補正濃度,および地形の影響を考慮した補正濃度を用い,林分ごとの濃度特性を検討し,また判別関数を用い林分の識別を行なった。林分の識別の適中率は補正なしの濃度では31.25%,周辺減光による補正濃度では53.49%,周辺減光および地形の影響に対する補正濃度では56.94%であり,濃度を補正することにより適中率は上昇した。そして,周辺減光に対する濃度補正が,林分の識別に対して重要であることが明らかになった。