2019 年 52 巻 2 号 p. 75-81
十勝平野北部の北海道士幌町上居辺で2016年冬から2017年春に発生した冬期乾燥害による常緑針葉樹の耕地防風林の枯損状況を調査した。サンプル数はトドマツで8帯,924本,アカエゾマツで1帯,243本,チョウセンゴヨウで8帯,923本,リギダマツで1帯,143本であった。8帯中3帯のトドマツで,924本中の6%に枯損がみられたが,他樹種の枯損はみられなかった。本調査の結果,十勝平野にトドマツを植栽した場合には,過去に報告されてきた造林地や防風保安林以外に耕地防風林においても冬期乾燥害がおきること,及び寡雪年だけでなく平均的な降雪量のある年でも常緑針葉樹の耕地防風林に冬期乾燥害が発生すること,の2点が明らかになった。