1.宮城県の水田単作農村,沿海農村,漁村の30歳以上の住民男,79名,女,96名について血中ニコチン酸パントテン酸含有量を測定し,これを比較的検討した。
2.血中ニコチン酸含有量においては,男女共,水田単作農村-沿海農村-漁村の順に高値を示し,前2者と漁村の間には5%の危険率で有意差が認められた。
3.血中パントテン酸含有量においては,測定方法に幾分の不完全さがあったためか,3地区住民間に有意差は認められなかった。
4.血中ニコチン酸とパントテン酸含有量の量には5%以下の危険率で有意の正相関がみられた。
5.ニコチン酸,パントテン酸共,年令階級別に検計を加えたが,顕著な傾向を見出す事は出来なかった。