日本衛生学雑誌
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3つの方法により測定した際の正常人赤血球中デルタアミノレブリン酸脱水酵素活性値の比較
友国 勝麿
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1981 年 35 巻 6 号 p. 864-868

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抄録

原理を異にすると思われる3つの測定法を用いて正常人赤血球中のデルタアミノレブリン酸脱水酵素 (ALAD) 活性を同時測定し, それらの値を比較した。
3つの方法とは, 方法A: 酵素反応中に生成したポルフォビリノーゲン (PBG) を比色分析する方法で最も広く用いられている, 方法B: 酵素反応中に生成したPBGを加熱縮合してウロポルフィリン (URO) に変え, その螢光強度を測定する, 及び方法C: 酵素反応中に消費された基質量を, デルタアミノレブリン酸 (ALA) を比色分析して求める方法である。
正常人48名について, 上記3方法を用いて測定した際の赤血球ALA-D活性値の平均値と標準偏差は, 方法Aにより723±188nmol PBG/h/ml RBC, 方法Bにより101±33nmol URO/h/ml RBC及び方法Cにより1,425±384nmol ALA/h/ml RBCであった。これらの測定値は日本人の赤血球ALA-D活性の正常値を示すものと思われる。
なお, 3測定法間の相関は極めて良好であった。

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