抄録
沖縄を除く46都道府県の昭和35, 40, 45, 50年における50∼54歳以上, 70∼74歳以下の5つの年齢階級の男子肺がん死亡率を multiplicative model を想定して分析した。各年度各年齢階級の死亡率が各年齢階級の死亡特性値 (各年齢階級が死亡率におよぼす影響を示す数値)(全府県共通) と各出生コホートの死亡特性値の積に比例すると仮定した模型は, すべての府県で観察データーによく適合した。
上記の分析結果にもとづいて, 各府県の男子の年齢階級別肺がん死亡率並びにその年次推移の特徴を, 昭和50年の男子肺がん標準化死亡比と出生コホート間の死亡特性値の増加傾向を示す指標とであらわすことを試み, その妥当性について考察した。
計算には京都大学大型計算機センターを利用した。