日本衛生学雑誌
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高速液体クロマトグラフィーによる血漿中プロスタグランディン・トロンボキサンの螢光的検出
遠山 和彦真鍋 重夫柳沢 裕之和田 攻阿部 修三
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1988 年 42 巻 6 号 p. 1064-1070

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抄録
従来報告されている高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるプロスタグランディン(PG)およびトロンボキサン(TX)の測定は,それらの検出方法にいくつかの問題点があることを見いだした。我々は,その問題点を解決することを試み,HPLCによる検出感度の向上と共に,ヒト血漿中のPGおよびTXを検出することを可能とした。
本測定法の検出波長(励起光350nm,測光412nm)は,ラマン光の妨害を受けずPGおよびTXの9-アンスリルジアゾメタン(ADAM)誘導体の検出に適していることを明らかにした。さらにゲルパックA110カラムを用いたADAM誘導体の部分精製は,クロマトグラム上の妨害物質の除去に有効であった。以上のような改良により,高感度検出法を確立することができた。
我々の方法では,血漿中の6-Keto-PGF,PGE2(D2),PGF,TXB2の同時測定が可能であり,生体試料中のPGやTXの測定に有用であると思われる。
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