頭頸部癌
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頭頸部癌の選択的動注化学療法 ―その適応と限界―
浅側頭動脈よりの超選択的動注化学療法と放射線療法の連日同時併用療法
―Stage III,IV口腔癌に対する術前治療―
藤内 祝光藤 健司西口 浩明福井 敬文山本 憲幸上田 実不破 信和
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2005 年 31 巻 3 号 p. 413-418

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抄録

Stage III,IVの口腔癌に対して浅側頭動脈よりの新しい超選択的動注法を用いた連日・同時動注化学放射線療法について述べた。方法は浅側頭動脈より新しく開発された彎曲カテーテルを用いて腫瘍栄養血管に逆行性に挿入する。口腔癌41例に対し,治療スケジュールはdocetaxel(DOC):60mg/m2(15mg/m2/week)とcisplatin(CDDP):100mg/m2(5mg/m2/day)の動注化学療法,放射線療法40Gy(2Gy/day)を術前治療として連日の同時併用で4週間行なった。この方法はカテーテルの長期留置が可能で可能である事から連日の同時放射線療法と動注化学療法の併用が可能となった。カテーテル挿入成功が35例であり,カテーテル挿入の成功率は85.4%であった。治療効果は臨床効果ではCRが29例(82.9%),切除腫瘍の病理組織効果ではGr. III以上が31例(88.6%)ときわめて高い治療効果が得られた。この方法は口腔癌の新しい治療戦略の一つとして期待される。

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© 2005 日本頭頸部癌学会
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