頭頸部癌
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舌扁平上皮癌N0症例における後発頸部リンパ節転移様式に関する検討
鵜澤 成一山根 正之山城 正司石井 純一道 泰之石川 均岩城 博天笠 光雄
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2005 年 31 巻 4 号 p. 530-535

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抄録
過去15年間に当科で舌扁平上皮癌と診断され,舌部分切除術を施行し,原発巣が制御された192例を対象に検討を行った。後発頸部リンパ節転移は30例(15.6%)に生じていた。30例中救済しえた症例は18例(60%)であり,5例(17%)が頸部非制御,7例(23%)が遠隔転移により死の転帰をとった。原発巣の組織学的分化度では,低分化型の症例において16例中11例(68.8%)と高頻度に後発転移が生じていた。また,30例中22例(73%)に被膜外浸潤が認められ,そのうち11例(50%)が頸部非制御あるいは遠隔転移により死亡していた。また,頸部非制御例5例中4例(80%)が上内深頸領域に生じていた。後発転移が生じた症例は早期発見し,頸部郭清術により制御することはもちろん重要ではあるが,原発巣および頸部が制御しえても遠隔転移が生じる症例も多く,今後遠隔転移の予防的治療についても積極的に考慮すべきであると考えられる。
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© 2005 日本頭頸部癌学会
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