頭頸部癌
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中・下咽頭
NBI内視鏡で発見された下咽頭癌症例の検討
加藤 孝邦齋藤 孝夫波多野 篤飯塚 雄志清野 洋一飯野 孝青木 謙祐濱 孝憲岡野 晋
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キーワード: NBI, 下咽頭癌
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2006 年 32 巻 1 号 p. 56-60

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抄録

上部消化管NBI内視鏡により発見された下咽頭癌症例6例10病変を検討した。6症例中4例は食道癌の経過観察で見つかり,2例は頭頸部癌での食道癌検索時に下咽頭癌を診断した。亜部位では梨状陥凹の片側に3病変,両側に3病変の9病変あった。後壁は1病変で,輪状後部は無かった。全例で重複癌があり,その部位は食道癌4例,口腔癌3例,中咽頭癌2例,胃癌1例であった。
これらの10病変を耳鼻咽喉科用内視鏡で検索したが通常内視鏡でも容易に視認できたのは1病変,指摘されれば確認できるのは7病変,通常内視鏡では視認できなかったのが2病変あった。これまでの耳鼻咽喉科内視鏡の使い方ではなく,近接して観察し,血管病変の変化を視認すれば充分に癌病変を視認することは可能であるが,NBIは容易に粘膜異常を視認する事が可能であり,その結果容易に癌を診断することが出来る。

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© 2006 日本頭頸部癌学会
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