頭頸部癌
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Facial Reanimation―術式の選択―
陳旧性顔面神経麻痺に対する笑いの再建;当施設における術式の選択
林 明照丸山 優酒井 敦子稲見 浩平岡田 恵美原田 孝
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2008 年 34 巻 3 号 p. 287-292

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抄録

陳旧性顔面神経麻痺において,口角や鼻唇溝,頬部の形態と動きを再現するいわゆる「笑いの再建」にあたり,当施設では再建の目標と患者のリスクや希望,笑いの形態を考慮したアルゴリズムに沿って術式を選択している。
第一選択は神経血管柄付き遊離筋肉移植による一期再建であり,ドナー部は大腿二頭筋短頭のほか,広背筋や腹直筋を用いる。ハイリスク例やマイクロサージャリーを希望しない症例には,第二選択として島状側頭筋弁移行術(lengthening temporalis myoplasty)を行う。三叉神経支配であるため,笑いの質はやや劣るが,術後リハビリで健側とある程度の同調が得られ,また,顔面交叉神経移植術の併用も一法である。第三選択は大腿筋膜移植によるmuscle bow traction法であり,簡便で低侵襲な動的再建法である。下口唇麻痺には先天麻痺に用いられる筋膜移植法を併用してバランスをとる。

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© 2008 日本頭頸部癌学会
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