頭頸部癌
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その他臨床
頭頸部進行がんに対する超選択的動注療法とシメチジン併用療法の有用性の検討
横山 純吉伊藤 伸大峡 慎一春山 琢男藤巻 充寿池田 勝久花栗 誠
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2011 年 37 巻 1 号 p. 149-152

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抄録

頭頸部進行癌に超選択的動注療法が施行され,高い局所制御と遠隔転移の問題が指摘されている。
目的:Cimetidine併用による遠隔転移抑制の有無を検討。
対象は2000年5月より2009年12月に動注療法を施行した切除不能153例。Cimetidine投与群114例は内服希望例,非投与群39例は内服拒否例である。
方法:治療前よりCimetidineを1年内服の投与群と非投与群で遠隔転移を比較検討した。動注療法を1週毎に4回施行した。治療2ヶ月後PETで局所効果と遠隔転移を判定,以後血液検査2ヶ月,胸部CT 6ヶ月,胸部写真を3ヶ月毎に実施した。結果:観察期間の中央値は投与群45ヶ月,非投与群64ヶ月(p < 0.05)。非投与群に遠隔転移10例と投与群に遠隔転移6例を認め,有意に抑制された。平均転移時期は6.9ヶ月(2-20)であった。転移部位は肺8例,骨5例,脳2例,腹部1例であった。原発巣は副鼻腔5例,下咽頭4例,口腔5例,その他2例であった。
結論:局所治療の動注療法に遠隔転移抑制のCimetidineの併用は有用と考えた。

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© 2011 日本頭頸部癌学会
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