頭頸部癌
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舌扁平上皮癌症例の臨床統計学的検討
坂本 耕二今西 順久冨田 俊樹小澤 宏之田川 崇正藤井 良一重冨 征爾羽生 昇大塚 邦憲山下 拓菅家 稔藤井 正人小川 郁
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2011 年 37 巻 4 号 p. 529-535

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抄録

1996年から2007年の間に慶應義塾大学病院耳鼻咽喉科で初回治療を行った舌扁平上皮癌86例につき臨床統計学的検討を行った。治療法の内訳は根治手術80例,根治照射6例であった。5年非担癌生存率は全体で75.8%,stage I(30例):88.7%,stage II(24例):82.6%,stage III(14例):77.1%,stage IV(18例):39.7%であった。予後因子については,単変量解析ではstage III/IV,T3/4,N2で有意差を認め,多変量解析ではN2が独立した予後不良因子であった。導入化学療法を施行した24例では,奏効群と非奏効群との間で生存率に有意差は認めなかった。根治手術群80例のうち頸部郭清を施行した42例において,リンパ節転移数2個以上群の生存率は2個未満群に比べて有意に不良であった(32.7% vs 93.8%)ことから,前者に対する術後治療の強化が必要と考えられた。

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© 2011 日本頭頸部癌学会
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