頭頸部癌
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その他臨床
当科における高用量シスプラチンを用いた同時併用化学放射線療法の認容性に関する検討
米澤 宏一郎平山 裕次古川 竜也森田 成彦入谷 啓介嘉村 陽子太田 陽介辻野 佳世子副島 俊典岩江 信法
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2014 年 40 巻 3 号 p. 362-365

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抄録

はじめに:局所進行頭頸部扁平上皮癌に対する高用量シスプラチン(CDDP 100mg/m2)による術後化学放射線療法の実施可能性については,諸家の報告で示されている。今回我々は,実臨床における高用量シスプラチンを用いた同時併用化学放射線療法の認容性に関する後方視的な検討を行ったので報告する。
対象:最近2年半の間に当科で高用量シスプラチンを用いた同時併用化学放射線療法を行ったStage III・IVの局所進行頭頸部扁平上皮癌31例を対象とした。
結果:全例で計画された放射線治療を完遂した。照射総線量は59.6~70Gy(中央値66Gy)であった。化学療法はCDDP総投与量300mg/m2が15例(48%),≧240mg/m2が23例(74%)であった。Grade 3以上の有害事象は今までの報告と同程度で治療関連死はなかった。
結論:術後症例においても局所進行頭頸部扁平上皮癌に対して高用量シスプラチンを用いた同時併用化学放射線療法は安全に行えることが分かった。

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© 2014 日本頭頸部癌学会
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