頭頸部癌
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頸部・甲状腺
頭頸部扁平上皮癌ルビエールリンパ節転移症例の臨床検討
―特にサイバーナイフの効果について―
中原 晋足立 加那鈴木 修山本 佳史竹中 幸則安井 俊道花本 敦福角 隆仁道場 隆博瀬尾 雄二礒橋 文明吉岡 靖生小川 和彦猪原 秀典
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2015 年 41 巻 4 号 p. 452-457

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抄録

ルビエールリンパ節 (RLN) とは外側咽頭後リンパ節のことであり,頭頸部癌からしばしば転移をきたす。今回,RLN転移を認めた頭頸部扁平上皮癌のうち2003年から2012年の間に治療した19例について検討を行った。後発転移病変の治療として当科ではサイバーナイフ (CK) を利用することが多いため,特にその効果に着目した。CKを施行していたのは7例であり施行後の短期奏効率は100%であったが,長期においては再発や出血をきたす症例もありRLN制御率や生存率に関してはCKの効果が高いとはいえなかった。一方,RLN制御に影響を与える因子の検討では「年齢」が有意差を認め,高齢になるほど制御良好であるという結果であった。RLN転移病変に対しては全例放射線中心の治療を施行していたが,全体の2年全生存率が55%と過去の報告と同程度であり,放射線治療でも手術と同等の治療効果が期待できると思われた。

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© 2015 日本頭頸部癌学会
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