ルビエールリンパ節 (RLN) とは外側咽頭後リンパ節のことであり,頭頸部癌からしばしば転移をきたす。今回,RLN転移を認めた頭頸部扁平上皮癌のうち2003年から2012年の間に治療した19例について検討を行った。後発転移病変の治療として当科ではサイバーナイフ (CK) を利用することが多いため,特にその効果に着目した。CKを施行していたのは7例であり施行後の短期奏効率は100%であったが,長期においては再発や出血をきたす症例もありRLN制御率や生存率に関してはCKの効果が高いとはいえなかった。一方,RLN制御に影響を与える因子の検討では「年齢」が有意差を認め,高齢になるほど制御良好であるという結果であった。RLN転移病変に対しては全例放射線中心の治療を施行していたが,全体の2年全生存率が55%と過去の報告と同程度であり,放射線治療でも手術と同等の治療効果が期待できると思われた。