頭頸部癌
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唾液腺
耳下腺癌72例の臨床的検討
四宮 瞳大月 直樹山下 大介四宮 弘隆手島 直則江島 泰生清田 尚臣佐々木 良平丹生 健一
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2016 年 42 巻 1 号 p. 51-56

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抄録
1994年から2013年までの20年間に当科で手術を行った耳下腺癌未治療新鮮例72例を対象として,治療成績および予後関連因子について検討を行った。T分類別内訳はT1:10例,T2:25例,T3:14例,T4:23例で,病期分類ではI期:10例,II期:24例,III期:10例,IVA期:28例であった。9種類の病理組織型がみられ,粘表皮癌が23例(32%)と最も多かった。高悪性度腫瘍は全例術前に悪性と診断されていたが,低および中悪性度腫瘍では71.4%しか悪性と診断されておらず,低中悪性度腫瘍の術前診断が難しいことが再認識された。全例の3年粗生存率および疾患特異的生存率は81%,82%で5年粗生存率および疾患特異的生存率は79%,82%であり,リンパ節転移の有無と病理組織学的悪性度が統計学的に有意な予後関連因子であった。
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© 2016 日本頭頸部癌学会
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