頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
新TNM分類(第8版)の改定点と問題点
舌癌における新T分類(UICC第8版)に導入された深達度(DOI)評価
—標本収縮を考慮した病理組織学的DOIと臨床的DOI評価の検討—
原田 浩之富岡 寛文横川 美咲野島 瞳小宮 瑠里栢森 高池田 通倉林 亨
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 45 巻 1 号 p. 1-7

詳細
抄録

舌癌における新T分類の問題点を明らかにするため,以下の検討を行った。  対象427例の第7版T分類はT1 224例,T2 152例,T3 42例,T4a 9例,第8版ではT1 204例,T2 149例,T3 74例であった。T-stageが不変であったのは376例,upstage例は43例,downstage例は9例であった。第7版での5年疾患特異的生存率はT1 96.4%,T2 93.5%,T3 79.2%,T4a 46.9%,第8版での5年疾患特異的生存率はT1 96.7%,T2 94.3%,T3 78.8%であった。  ついで,病理組織標本作製過程における幅径収縮率を算出したところ,平均収縮率は6.8%であった。これを補正した病理組織学的DOIと臨床的DOIとの比較検討を行った。臨床的DOIはMRIとUSにて計測した。その結果,生検前MRIによるDOIが最も病理組織学的DOIに近似していた。

著者関連情報
© 2019 日本頭頸部癌学会
次の記事
feedback
Top