2019 年 45 巻 1 号 p. 1-7
舌癌における新T分類の問題点を明らかにするため,以下の検討を行った。 対象427例の第7版T分類はT1 224例,T2 152例,T3 42例,T4a 9例,第8版ではT1 204例,T2 149例,T3 74例であった。T-stageが不変であったのは376例,upstage例は43例,downstage例は9例であった。第7版での5年疾患特異的生存率はT1 96.4%,T2 93.5%,T3 79.2%,T4a 46.9%,第8版での5年疾患特異的生存率はT1 96.7%,T2 94.3%,T3 78.8%であった。 ついで,病理組織標本作製過程における幅径収縮率を算出したところ,平均収縮率は6.8%であった。これを補正した病理組織学的DOIと臨床的DOIとの比較検討を行った。臨床的DOIはMRIとUSにて計測した。その結果,生検前MRIによるDOIが最も病理組織学的DOIに近似していた。