抄録
はじめに:頭頸部がんが早期発見・早期治療され,治療成績が向上するためには,頭頸部がんがより広く,より正確に一般市民に認知される必要がある。
方法:日本頭頸部癌学会広報委員会の頭頸部がんの認知度向上プロジェクトとして,頭頸部がん克服デーのイベントを実施し,一般市民1,574人を対象にアンケート調査を施行した。
結果:頭頸部がんの認知度は45.6%であり,高齢者ほど高く,性別で差はなかった。咽頭がんや喉頭がんは,約80%で頭頸部がんと認識されていたが,舌がんや甲状腺がんは約30%であった。医療情報の収集方法は主治医が74.3%,インターネットが42.9%,医療関係者である友人が35.4%,続いてテレビ,新聞,SNS,医療関係者でない友人の順に多かった。
考察:頭頸部がんの認知度向上のためには,他科医師や医療従事者に向けた啓発活動およびインターネットによる発信が重要である。