頭頸部腫瘍
Online ISSN : 1883-9878
Print ISSN : 0911-4335
ISSN-L : 0911-4335
頭頸部癌に対する発熱磁性体を用いた Implant Heating System の効果と適応について
藤内 祝後藤 康之林 康司金田 敏郎小林 達也
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 17 巻 2 号 p. 156-161

詳細
抄録

われわれは頭頸部癌に対して, 独自で開発した発熱磁性体を用いた Implant Heating System による組織内温熱療法を行った。症例は11例 (舌癌6例, 口腔底癌2例, 下顎歯肉癌2例, 口唇癌1例) である。6例の手術不可能例の内, 3例は温熱療法, 放射線照射および化学療法の併用で, 3例は温熱療法と化学療法の併用であった。他の5例は術前温熱化学療法を行った。臨床的効果はCR 7例, PR 4例であった。術前温熱化学療法を行った5例は病理学的にみてCRであった。中でも舌癌と口腔底癌はIHSの適応であったが, 歯肉癌は骨の介在のため適応ではなかった。しかし, IHSを用いた温熱療法との併用は頭頸部癌に対して新しい治療法として期待できた。

著者関連情報
© 日本頭頸部癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top