頭頸部腫瘍
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放射線同時併用のTHP動注における組織内濃度について
佐伯 哲郎吉田 知之青山 由美子奥平 唯雄岡田 卓也舩坂 宗太郎
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1992 年 18 巻 2 号 p. 106-110

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抄録

THP動注と放射線療法の同時併用により頭頸部腫瘍の治療をおこない, 同時に腫瘍の組織内濃度を測定して治療効果にあたえる影響を検討した。対象症例は舌癌, 口腔底癌, 上顎洞癌, 中咽頭癌, 上咽頭癌, 外耳道癌であった。放射線治療10Gyまでは組織内濃度は上昇しつづけ, それ以後は減少した。しかしその値は3ng/mg以上の高値を示した。
動注単独症例や静注照射併用症例では組織内濃度は低値を示した。
放射線治療を併用することによりTHPの組織内濃度を一時的に上昇させることができたが, これはTHP動注と放射線同時併用療法の有用性をしめすものである。

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© 日本頭頸部癌学会
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