1992 年 18 巻 2 号 p. 120-124
口腔扁平上皮癌患者末梢血リンパ球から, 抗CD3抗体およびIL-2でLAK細胞を誘導し, その性状および標的細胞認識に関与する細胞表面分子をモノクロナール抗体を用いて検索した。その結果, 培養19日目のLAK細胞はTCRα/βのT細胞 (CD3+) とNK細胞 (CD3-NKH-1+) が主体で, 残りはTCRγ/δ T細胞より構成されていた。また, LAK細胞は自己および同種の培養腫瘍細胞に対し障害活性を示し, その活性は抗CD3抗体によって抑制されたが, K562に対する細胞障害活性は抑制されなかった。このことより, LAK細胞の標的細胞認識はMHC非拘束性であり, TCR/CD3複合体を介しているものと, NK様のTCR/CD3複合体を介さない二つの異なった機序が関与しているものと考えられた。