頭頸部腫瘍
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舌癌の小線源治療における Radiolucent Spacer の有用性について
横井 基夫伊藤 善之不破 信和加藤 恵利子村尾 豪之森田 皓三
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1993 年 19 巻 2 号 p. 188-192

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抄録
舌癌の組織内照射後の骨壊死を防止する目的で Rediolucent Spacer を製作した。これは線源と下顎骨との距離を離すことで, 骨への線量を減少させるものである。材料のシリコン樹脂は, 放射線透過性を有するため裝着した状態でのX線撮影が可能で, より正確な線量計算が行える。厚さ8mmのスペーサーを使用した6症例の下顎歯肉表面への線量減少率は, TDFで腫瘍線量の平均42.3%に減少できた。2年以上最長9年4か月, 平均5年7か月の経過観察ができた51症例の骨壊死発生率は0%であったことから, 厚さ8mm以上のスペーサーは, 有用な補助裝置と考える。また照射開始時期の抜歯は, 極力無菌的に歯槽突起切除も行い創部を完全に縫合閉鎖することが必要である。
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© 日本頭頸部癌学会
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