頭頸部腫瘍
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頭頸部がん患者の年齢構成の推移と治療に伴う生体反応の相違について
中島 格檜垣 雄一郎宮城 千里矢野 玄益田 明典安元 和彦野村 和
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1993 年 19 巻 3 号 p. 353-359

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抄録
過去20年間に九州がんセンターにて入院・治療を行った頭頸部悪性腫瘍患者を対象に, 年齢と治療の関連について検討した。年齢構成は後半の10年間に高齢者の増加傾向を認めたが, その治療は放射線が主体であった。頸部リンパ節郭清を行った患者については年代別に死因を解析した。高齢者群では術後合併症や他因死 (心不全など) が多かったが, 若年者群では再発転移部位の制御不能による死亡が多かった。従って頭頸部がんの治療では, 若年者と高齢者の全身および局所免疫能の違いを考慮に入れる必要が示唆された。現在われわれは郭清リンパ節内の局所生体反応について検索を続けている。
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© 日本頭頸部癌学会
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