頭頸部腫瘍
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喉頭癌患者死亡例の臨床的検討
中山 明仁高橋 広臣岡本 牧人八尾 和雄馬越 智浩
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キーワード: 喉頭癌, 再発, 予後因子
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1997 年 23 巻 1 号 p. 156-159

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抄録
喉頭癌患者死亡例, 特に原病死した症例の検討を行った。当院開院以来25年間に当科にて治療を受けた喉頭癌症例は406例である。この中で治療中, 治療後の経過観察期間中に死亡した症例は106例であった。原病死は55例 (喉頭癌症例全体の約14%) でその他は他因死と死因不明の症例であった。他因死症例の中で重複癌による死亡が42%を占め, 他に心疾患, 呼吸疾患, 老衰などの死因がみられ, 喉頭癌の好発年齢が高齢者である一側面を反映していた。原病死した症例では24%が遠隔転移死で, その他が局所再発死であった。遠隔転移死した症例の大部分は原発巣が声門上型喉頭癌であった。局所再発死亡例の大部分はステージIV進行癌であった。局所再発例の再発理由について患者側の要因, 術者側の要因に分けて推測を行った。
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© 日本頭頸部癌学会
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