頭頸部腫瘍
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頭頸部再建における大胸筋皮弁の有用性の再認識と適応範囲の拡大
清川 兼輔田井 良明井上 要二郎矢永 博子力丸 英明森 一功中島 格
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キーワード: 大胸筋皮弁, 頭頸部再建
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1999 年 25 巻 3 号 p. 513-518

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抄録

大胸筋皮弁の最大の問題点である皮島の血行の不安定さと到達距離の制限を解決し, 頭頚部再建における本 flap の有用性の再認識と適応範囲の拡大を行った。大胸筋皮弁の皮島内に第4肋間で乳輪乳頭の約2cm内側にある内胸動脈前肋間枝の穿通枝を含み, 第7肋骨の大胸筋下縁を越えない範囲内で皮島を採取することで, 部分壊死の発生率は71例中4例 (6%) に減少した。また, pedicle を血管柄のみとし鎖骨下のルートを通して移動することで flap の到達距離は Ariyan の原法より約8cm延長され, 眼窩下縁, 耳介上部, 中頭蓋底, 上咽頭にまで適応範囲が拡大された。

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© 日本頭頸部癌学会
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