頭頸部腫瘍
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顎口腔領域への転移性癌の臨床統計的検討
末藤 祐一楠川 仁悟亀山 忠光
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2000 年 26 巻 1 号 p. 110-115

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抄録
顎口腔領域への転移性腫瘍17例について臨床統計的に検討した。転移性腫瘍は, 全悪性腫瘍1次症例の3.0%を占め, 近年増加傾向を示した。性別は男性12例, 女性5例, 平均64.6歳であった。臨床症状は, 腫瘤形成, 開口障害, 知覚鈍麻など様々であった。顎口腔領域への転移部位は下顎骨や歯肉が最も多かった。17例のうち, 12例 (70.6%) で原発腫瘍よりも先に口腔の転移巣が最初に認められていた。原発腫瘍の部位は, 肺6例と最も多く, 肝臓3例, 食道, 胃, 直腸, 甲状腺, 前立腺および胆管が各1例で, 原発不明は2例であった。摂食障害の改善などを目的として, 9例で外科的切除および3例で化学療法あるいは放射線療法が行われていた。しかしながら, 全例多発性遠隔転移があり, 予後は極めて不良であった。
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© 日本頭頸部癌学会
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