頭頸部腫瘍
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当科における聴器癌症例の検討
星川 広史宮部 和徳森 望
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キーワード: 聴器癌, 診断, 治療, 拡大手術
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2001 年 27 巻 1 号 p. 107-112

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抄録

1983年10月から1999年1月の間に当科で治療を行った外耳道癌7例, 中耳癌7例について, 臨床像, 治療法, 予後等について検討した。男性2例, 女性12例と女性に多く, 扁平上皮癌が11例, 腺様嚢胞癌が2例, 腺癌が1例だった。Stell らの分類では外耳道癌7例中T14例, T21例, T32例で, 中耳癌は7例中T11例, T22例, T33例, Tx1例であった。外耳道癌症例は手術を主体とした治療が行われ, 初回治療で手術を併用しなかった症例は1例のみだった。中耳癌症例はT1, T2症例は手術主体の治療が行われたが, T3以上の症例では放射線中心の治療法が行われ, 担癌生存の1例を除いていずれも治療早期に原病死していた。今後の治療成績の向上のためには, 腫瘍の進展範囲の的確な診断と, より安全な拡大手術法の確立, 早期発見が必要と思われる。

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© 日本頭頸部癌学会
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