日本頭痛学会誌
Online ISSN : 2436-1577
Print ISSN : 1345-6547
症例
雷鳴頭痛よりPRESを合併したRCVSと診断し,タクロリムスを継続できた同種骨髄移植例
高橋 正年常峰 紘子増田 光輝中村 航大村上 永尚古川 貴大
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2022 年 48 巻 3 号 p. 628-633

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抄録

 48歳女性.重症再生不良性貧血への同種骨髄移植のためタクロリムス(Tac)の投与が開始され,その夜に突然の激しい頭痛を訴えた.MRIでPRESの所見が認められたが,雷鳴頭痛からRCVSを疑った.Tacを継続し移植を施行し,PRESは一過性の増悪後に改善した.しかし,数日後より血管攣縮が一過性に出現しRCVSと診断した.TacはPRESを誘発するが,RCVSとの報告は少ない.本例では雷鳴頭痛からRCVSとして治療しTacを継続でき,画像よりも症状が重要であったため報告した.

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© 2022 一般社団法人日本頭痛学会
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