2023 年 50 巻 1 号 p. 148-151
頭痛外来において耳鳴の有病率やその支障度について検討を行った.対象は,頭痛を主訴に頭痛専門外来を受診した231例とした.耳鳴の苦痛度をTHI-12,気分状態をHADSにて評価した.耳鳴を訴えたものは61例 (約30%) であった.疾患では片頭痛,特に慢性片頭痛で高い傾向が認められた.これらの耳鳴は生活への障害はあまり高度ではなかった.また耳鳴を有する患者はめまいも有している割合が高かった.前庭性片頭痛は41例あったがそのうち13例 (31.7%) で耳鳴を認めた.前兆のない片頭痛で耳鳴のある41例中7例に難聴を認め,4例は突発性難聴の既往があった.頭痛外来において耳鳴の訴えが高率に認められることが分かった.