東京保健科学学会誌
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高齢者疑似体験装具「シニア・シミュレーター」装着に関する実験的研究 -第1報-
栗原 トヨ子大津 慶子寺山 久美子木之瀬 隆新田 収菊池 恵美子杉本 正子奥山 則子大渕 律子高石 純子野村 みどり
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1998 年 1 巻 1 号 p. 119-123

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抄録

高齢者疑似体験装具(以下体験装具)装着により、高齢者の状態を的確に体験できるか、体験装具の中のどの装具およびどの活動がより困難で、高齢者に比較的近い状態を作り出しているかを確認する目的で体験装具の装着実験を行った。被験者は医療従事者養成校の教員10名で、装着した体験装具は、ヘッドホン型耳詮、ゴーグル、頸椎カラー、ゴム手袋・サポーター、靴型装具の5種類である。個々の体験装具の装着時の違和感および活動時の動作の困難度についてそれぞれ5段階の主観的評価尺度を用いて評価した。装着時の違和感の程度および各活動の困難度の差を求めるため、データ結果を一元配置の分散分析によって検定した結果、いずれにも有意な差が認められた。さらにBonferroniの多重比較検定を行った結果、体験装具では耳詮と靴型装具に違和感が強く、活動では電話を掛けることと階段を降りる行為が有意に困難なものとして挙げられた。

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1998 日本保健科学学会
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