東京保健科学学会誌
Online ISSN : 2433-149X
Print ISSN : 1344-3844
ISSN-L : 1344-3844
退院後の骨髄移植者が抱える問題に関する基礎調査 : 性生活・社会復帰について
下枝 恵子石川 ふみよ塚本 尚子岡部 聰子
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 2 巻 1 号 p. 29-32

詳細
抄録
近年, 致命的な疾患であった白血病に対する根治療法として骨髄移植が広く行われるようになった。本研究は, 過去の骨髄移植のQOLの調査において高頻度で起こりうる問題として挙げられた「性生活」「社会復帰」についての援助方法の示唆を得るため, 血液疾患患者の会に参加した骨髄移植者の女性5名, 男性2名を対象に, 退院後の「性生活」「社会復帰」における具体的な問題について面接調査行った結果以下の知見を得た。1.不妊, 性行為については, 骨髄移植前後の医療者側の対応の欠如が退院後の骨髄移植者の心理的問題に影響を与えていた。2.不妊は, 身体的問題にとどまらず, 骨髄移植者のその後の恋愛への意欲や意識にも影響を及ぼしていた。3.身体・心理・社会的問題は, 社会復帰までの期間や復帰後の仕事量に影響していた。
著者関連情報
1999 日本保健科学学会
前の記事 次の記事
feedback
Top