抄録
理学療法において市販の体重計は, 通常の方法での体重測定のみではなく, 立位保持困難な場合の座位での体重測定, 片足のみを乗せての部分的体重負荷の訓練や脚伸展筋力の測定などに用いられる。しかし, 体重計の取扱説明には堅く平らな床の上に水平に置いて使用することや体重をはかるのが主な目的であることが記載されている。そこで今回我々は市販のアナログ式体重計を各種設定下に使用し, 測定値の比較検討を行った。測定は, (1)通常の方法での測定, (2)体重計の右端に右片脚立位での測定, (3)体重計の下端に右片脚立位での測定, (4)20度の傾斜した台上での測定, (5)マット上での測定, (6)2台の体重計に片脚ずつ乗せての測定, (7)体重計上に座っての測定の7種類の測定を行った。級内相関を求めたところ, 測定(1)との組み合わせにおいて測定(4), (5)以外は非常に高い係数を示し, 通常の方法以外での体重測定などが可能であることなどが示唆された。
