2001 年 3 巻 4 号 p. 247-250
ヒトの作業能力の低下について考えると,加齢による筋力低下に加え,姿勢などの問題によって上肢の操作力が制限されている可能性がある。そこで,20〜30歳代の男性に対し,リフティング動作における操作力の測定と同時に上腕二頭筋,背筋群の筋活動を計測し,リフティング動作時の姿勢と筋活動量の関係について検討した。その結果,円背シミュレータにより前屈姿勢をとらせることにより,(1)リフティング動作時の力そのものが減少する(2)操作力を発揮する原動力として,背筋群よりも上腕二頭筋への負担が増加する可能性があることが示唆された。