東京保健科学学会誌
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Howlett chartを用いたDR装置の画質評価
吉澤 寿
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2001 年 3 巻 4 号 p. 257-261

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抄録

本研究は,CCD (Charge Coupled Device)カメラを用いたDR装置の画質についてハウレットチャートにより評価することを目的とした。400万画素(2k)と100万画素(1k)のCCDカメラを用いた時の画質の違いを,ファントム,管電圧,管電流を一定として検討した。表面線量が0.15mGy以下の範囲では,2k,1kとも線量の増加に伴ない画質が向上した。表面線量が0.15mGyから0.7mGyの範囲では,2k,1kとも,線量が増加しても画質に大きな変化は無く,ほぼ一定の画質を示した。表面線量が0.7mGyを超えると,得られる画像は2k,1kともハレーションの影響を受け,画質が急激に低下した。表面線量0.32mGy以下では,マトリックスの違いによって,得られる画質に大きな差はなかった。表面線量0.32mGyから0.7mGyでは,1kに比べ2kの画質が優れている傾向が観られた(p<0.05)。臨床の使用では表面線量0.15mGy以下の使用が有効であり,それ以上のX線の照射は,被曝線量を増加させるだけでなく,動きによるボケやX線管焦点の増大を招き,得られる画像の描出能を向上させないことが明らかになった。

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2001 日本保健科学学会
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