東京保健科学学会誌
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実習経験用チェックリストにみる身体障害総合臨床実習の分析
菊池 恵美子井上 薫鈴木 啓介
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2001 年 4 巻 3 号 p. 131-136

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抄録

実習経験用チェックリスト(以下リスト)は, 学外臨床実習(以下実習)における経験を, 「講義」「見学」「体験」の3レベルに分けて学生が記載し, 実習終了時に提出するものである。リストは, 卒業までに学生に経験させたい実習内容のガイドラインであり, 5領域(対象, 評価, 治療・援助, 教育的指導, 管理・運営の指導)計69項目で構成されている。リストにより, 実習内容の定量的把握と, 作業療法臨床場面のup-to-dateな情報収集が可能で, カリキュラムの改正にも活用できる。今回, T医療技術短期大学の9, 12期生(1996, 1999)の身体障害領域のリストを分析した結果, (1)65歳以上の回復期や維持期の「体験」が増加していた, (2)9割の学生が脳血管疾患を「体験」していた, (3)面接の「体験」が減少していた, (4)家族への説明が増加傾向にあった, (5)教育的指導, 管理・運営の指導は, 精神障害や発達障害に比べ, 身体障害領域でより多くの学生が「体験」(p<.05)していたことが明らかとなった。

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2001 日本保健科学学会
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