東京保健科学学会誌
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肢体不自由養護学校児童・生徒の身長・体重からみた発育の実態
高橋 友香江部 紀美子真砂 涼子本道 和子川村 佐和子
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2002 年 5 巻 2 号 p. 53-60

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抄録
肢体不自由児の発育の実態を明らかにし,身体発育の評価法を考察することを目的に,東京都の肢体不自由養護学校児童・生徒の身長・体重の測定値を基に,健常児の測定値との比較検討を行った。その結果,肢体不自由児は,(1)健常児と比べ身長・体重とも値は小さいが,(2)身長・体重とも加齢により増加し,(3)増加の仕方(形態)は階段状であった。また,(4)身長・体重とも,加齢につれて発育遅延が増大していき,(5)個人差は健常児より大きかった。身長と体重の発育は,(6)男子では最大発育量を示す年齢は身長と体重で一致するが,女子では身長より体重増加が遅れて起きた。健常児の成長曲線と比較すると,(7)身長は正常範囲から逸脱する年齢が多く,体重は逸脱が少なかった。以上の事実から,肢体不自由児の発育を評価するには身長・体重だけでは評価できず,専門的な目を持ち,個人の状態から多面的に評価する必要があることが示唆された。
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2002 日本保健科学学会
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