抄録
本研究は,学齢期の脳性麻痺児を対象にBarthel Index (BI)の構成概念妥当性の交差妥当性を,因子モデルのデータヘの適合性ならびに外的基準との関連性で検討した。統計解析には,S県3校及びT県4校に在籍する脳性麻痺児258人のデータを用いた。著者等は,Wadeらの研究を基礎仁BIに関する1因子モデルを仮定し,確証的因子分析でデータへの適合度を検討した。その結果,著者等が提起した1因子モデルの適合度は統計学的な許容水準を満たした。またMIMICモデルを用いてBIの観測変数に対する性と年齢の関係を分析した。その結果,BIは年齢からの影響のみを受け,BIを構成する調査頂且別にみた遂行能力は,性差は「更衣」を除いて認められず,年齢差がすべての項目仁おいて観察された。以上の結果は,BIが脳性麻痺児の身体機能の程度を適切に測定できる尺度であることを意味している。