魚類学雑誌
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水産生物の成長度に關する研究 (第5報)
トビ鯉の成長度に就て
松井 魁
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1950 年 1 巻 3 号 p. 166-174

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抄録

1.体長 (L) と鱗長 (ln) との關係は次式で表はされる。
L=15.778十0.029ln
2.鱗の被覆部 (R1) 及び露出部の (R2) 放射線數は成長に伴つて増加し、体長との關係は次式で表はされR1はR2より多い。 (第2表参照)
R1=1.066L1.074, R2=1.035L0.893
3.トビ鯉の成長度は一年魚で最小5.9cm, 最大15.5cm, 平均9.05±0.31cm, 二年魚では最小19.66cm, 最大33.0cm, 平均25.77±0.26cm, 三年魚では最小34.6cm, 最大45.4cm, 平均40.04±0.66cmである。 (第5表参照)
4一年魚では雄魚が雌魚よりも成長が良好であるが、二年魚では雌魚が僅かに良好となり、三年魚では雌魚が遙かに成長良好となる。この現象は精巣が卵巣よりも早期に發達するためである。 (第6表参照)
5.トビ鯉の成長度は、普通鯉よりも一年魚で5%, 二年魚で3%, 三年魚で5%程度良好である。

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