魚類学雑誌
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メダカの計測
久保 伊津男櫻井 裕
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1951 年 1 巻 5 号 p. 339-346

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抄録
(1) 鱗の同心線数で1才魚群と2才魚群とに分離される。雄では体長26mm, 雌では28mm以上の個体は2才魚群に屬するものと思はれる。
(2) 1才魚群の体長の並数は雄では21-22mm, 雌では24-25mm, 2オ魚群のそれはそれぞれ24-26mrn, 27-29mmである。
(3) 体長の最大は雄では31mm, 雌では34mm, 体重の最大はそれぞれ0.60g, 0.91gである。
(4) 成魚において雌は雄よりも大である。
(5) 体長 (L) と体重 (W) との関係は雄ではW=0.00002597L2.933, 雌ではW=0.00001212L3.183である。
(6) 胸鰭 (F1), 背鰭 (F2), 臀鰭 (F3), 及び尾鰭 (F4) 長の各と体重 (L) との関係はすべて直線で表される。雄ではF1=0.27L+4.26, F2=0.29L+4.51, F3=0.27L+4.44, F4=0.25L+4.97, 雌ではF1=0.24L+4.43, F2=0.16L+3.18, F3=0.13L+3.05, F4=0.21L+4.92である。
(7) 胸鰭長、臀鰭長及び2オ魚群の背鰭長には雌雄差がみられ、胸鰭長は雌において、臀鰭長及び背鰭長は雄が長い。ことに臀鰭の差は顯著である。
(8) 臀鰭長は体長20mm以下では雌雄においてまれに相重る場合があるが、それ以上の体長のものでは重ることは全くない。
(9) 各鰭長の体長に鮒する比成長率は雄の背鰭が最大・鰭の臀鰭が最小である。同率は雄では胸鰭、背鰭、臀鰭及び尾鰭の各鰭間には薬著しい相違は認められないが、雌では背鰭と臀鰭との同率が他2鰭のそれに比較しい著しく小さい。
(10) 鱗の同心線数は雌よりも雄が變異にとみ平均値も多い傾向がみられる。
(11) 鱗の同心線数は体長の増大とともに増大する。体長16-17mmの雄では10-13 (平均11.5) 雌では10-11 (10.3), 19-20mmの雄では11-17 (13.5), 雌では13-14 (13.3), 22-23mmの雄では12-19 (16.6), 雌では (13-17 (14.8), 25-26mmの雄では15-20 (17.1), 雌では16-19 (17.5), 29-30mmの雄では21-26 (23.5), 雌では16-23 (19.3) である。
(12) 性比は1である。
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