シロサケに見られた多形細胞肉腫

抄録

シロサケOncorhynchus keta (WALBAUM) の腹腔側壁の筋組織中に発生した腫瘍を検査して次の結果を得た.
1. 腫瘍を構成する細胞の形態は円形, 楕円形, 紡錘形を示し, 多様である.
2. 本腫瘍は筋組織内に発生し, 破壊的な浸潤性の発育を行ない, さらに腎臓組織におよんだものである。
3. 腫瘍組織は実質と間質の区別が不明瞭なことから, 非上皮性の腫瘍と考えられる.
4. 以上の結果から本腫瘍を多形細胞内腫と査定した。