魚類学雑誌
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日本南方外洋域におけるヨコエソ科魚類ヨウジエソの初期生活
小沢 貴和
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1976 年 23 巻 1 号 p. 43-54

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抄録

ヨコエソ科ヨウジエソ (Pollichthys mauli) のの後期仔魚を初めて記載し, 初期生活史を体形, 内臓諸器官および化骨過程の形態面から研究した。生活史の体形はシラス形と成形魚に明瞭に2分され, それらの問に著しい変態が介在する.シラス形仔魚の特徴は, 細長い体, 体色素の欠除, 楕円形で下方にchoroid tissueを付属する眼, 肛門および臀鰭の後位などである.発光器の原器が仔魚の後期に形成される。成魚形は中層性魚類の特徴を示す。即ち, 発光器が顕著に発達し, 体前部は相対的に長くあるいは幅広く, 頭部と体背側に黒色素が出現し, 眼は円形でchoroid tissueを消失し, 肛門および臀鰭は前位して正常な位置を占める, これら2形の発育期は, それぞれの発育期での形態発達の特徴によって次のように細分される。シラス形期は, 前期仔魚期 (本研究には含まれていない) 夢後期仔魚期 (この期はさらに早期, 中期および末期に区分される) および変態期に, 成魚形期は稚魚期および成魚期に, 細分される。

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