ヨコジマドジョウは韓国の洛東江水系にのみ分布するドジョウ科の1種で, 本種はWakiya and Mori(1929)によってシマドジョウ属(Cobitis)の1種として記載された。しかしNalbant(1963)は本種がシマドジョウ属魚類よりもAcanthophthalmus属魚類に類似することを指摘した.さらにその後Banarescu and Nalbant(1968)は, 具体的な理由を与えることなく, 本種をシマドジョウ属からアジメドジョウ属(Ni-waella)に移した。本種の分類学上の位置を決定するために, 口部や胸鰭の形態, 背鰭の位置および脊椎骨の数と構成について, 本種をアジメドジョウ属およびシマドジョウ属魚類と比較検討した.その結果, これらの特徴においては, 本種はアジメドジョウ属魚類にもっとも類似することが判明した。したがって本種はアジメドジョウ属に帰属されるべきである.